NIPT体験談

【体験談_39歳】Myriad Women’s Health_新型出生前診断(NIPT)

出生前検査をいつ受けましたか?

私は、国際結婚をしてアメリカで3歳と1歳の子供を育てています。二人ともアメリカで出産しましたが、いずれのときも医師に勧められて、妊娠10~11週のときに新型出生前診断(NIPT)を受けました。

どんな悩みや不安がありましたか?

第一子を妊娠したのは36歳のとき。初めての妊娠に夫と二人で喜びながらも、高齢出産ということで不安も大きかったことを覚えています。

第二子のときは、経産婦として高齢妊婦には当たらないものの、出産時の年齢は39歳。35歳を過ぎると、胎児に先天性疾患がみられる確率が一気に高まるといわれています。ある統計では、36歳で出産する場合、何らかの染色体異常をもつ子供が生まれる確率は156人に1人。自分の体に宿った新しい命の未来を考えたとき、この数字は、「それでも圧倒的多数は正常に生まれてくるから」と楽観的に見過ごせるものではありませんでした。

胎児が障害をもって生まれてくるということは、子供の人生を大きく左右するものであると同時に、親の人生を一変させるものでもあります。もしこの子に何らかの障害があったら…という心配から、胎児に先天的異常があるかどうかを知りたいと思っていました。というより、異常が認められないということを確認して安心したかったというのが正直なところです。

検査をした医療機関と、選んだ理由を教えてください。

検査は、かかりつけの産婦人科医の指定する検査会社(Myriad Women’s Health)が提供しているものを受けました。

アメリカではNIPTの普及が進んでおり、私の通う産婦人科クリニックでも、私のように35歳以上の妊婦は、特に拒否しない限り検査を受けることが通常のようでした。

アメリカでは、NIPTのような専門的な検査を受ける場合、直接検査会社に依頼するのではなく、かかりつけ医の指示を受けて指定された検査会社で検査するのが一般的です。

NIPT検査の種類や料金について

NIPTは、日本でもアメリカでも、妊娠10週以降に受けられます。母体から採取した血液を分析し、胎児に以下の主要な染色体異常の疑いがないかを調べるスクリーニング検査です。

  • 21トリソミー(ダウン症候群)
  • 18トリソミー(エドワーズ症候群)
  • 13トリソミー(パトー症候群)

これら3つが胎児の染色体疾患の約7割を占めるとのこと。

私が受けた検査では、希望すれば、性染色体異常や、微細欠失症候群の可能性についても検査することが可能でした。性染色体を検査項目に含めると胎児の性別がわかるため、私は性染色体をオプションに加えました。

検査料は、698米ドル。私が加入している保険では、35歳以上の場合、検査料の約半分がカバーされたので、自己負担額は335ドルでした。日本では保険の適用がなく、20万円前後かかることを考えると、相当安く受検できました。

NIPTのメリットは、血液を採取するだけで検査できるため、母体や胎児への身体的負担が少ないことです。また、検査精度が高く、陰性結果の的中率は99.9%と謳われています。

このように高い精度をもつNIPTですが、確定検査ではないので、陽性結果が出た場合、胎児の染色体異常を確定させるには、羊水検査などの確定検査を受けることが推奨されます。また、NIPTを受ければ、全ての障害の可能性がわかるというわけではないことにも要注意です。

NIPT検査の流れを教えて下さい。

検査は、定期妊婦健診の際にクリニック内で血液を採取するだけ。

採取した血液サンプルが検査会社に送られ、結果は後日オンラインのアカウント内で確認することができる仕組みでした。血液採取から結果の通知までは約1週間かかるとのことでしたが、実際は5日でした。

また、次の定期健診の際に医師から詳細についての説明を受けました。

NIPT検査の結果と振り返り。

検査結果は、第一子、第二子いずれのときも陰性。妊娠の初期段階で、染色体異常の可能性が極めて低いことを確認できたことで、その後の妊娠生活がより安心できるものになったのは確かです。もし検査をしていなかったら、出産まで漠然とした不安を抱えていただろうと思います。また、性別も早くわかったので、名前を考えたり、出産準備を進める上でも役立ちました。

もし検査結果が陽性だったら、という頭の体操は事前にある程度しておいたほうが良いように思います。私たち夫婦も、陽性結果が出ても出産するのかしないのかについて、何度も話し合っていました。夫は、産まないことも選択肢に考えていましたが、どちらにしても重い選択で、検査前に明確な答えは出せなかったものの、陽性のときは、その障害についてしっかり調べ、医師など専門家の意見も聞きながら、じっくり考えて結論を出すつもりでした。

「命の選別」を批判する声はよく聞かれますが、当事者として考えて思ったことは、これは人として、社会としての理想論ではなく、自分と子供を含む家族全員の人生に関わる現実の問題。何が正解かなんて誰にも言えないのではないでしょうか。産み、育てていくのは、ほかの誰でもない、自分ですから。